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5、「世界水草レイアウトコンテスト2013 審査員レポート」

                   ペンギンビレッジ株式会社 代表 尾崎 初(はじめ)




「第一部 世界水草レイアウトコンテスト2013篇」
 
 2013年9月28日(土) 第13回目になる「世界水草レイアウトコンテスト 2013」が東京有楽町の国際フォーラムで開かれました。私は第1回目から審査員のひとりとして参加させていただきましたが、回を追うごとに作品の質・数とも向上を重ね、見事なイベントに育っています。今回は直接会場に来られなかった方を念頭に、コンテストの裏話までも交えて、その楽しさの一端をお伝えできばと思います。 



2013 作品集表紙



@  控室

 第一部「世界水草レイアウトコンテスト2013」は13:30から始まります。

 それに先立ち、天野さんをまじえた日本人審査員4人は、会場控室に集まりました。

 昼食を取りながらの打合せ。パーティ次第やタイムスケジュールが、今年から新しい司会者となるADAの遠藤さんを中心に説明を受けます。

  そのうちにもまだ発売されてないコンテスト作品集が配られると、この作品がこう…、あの作品はああ…、今年のグランプリは…というように、苦労した審査の結果ですから、忌憚のない意見で盛り上がりました。
 

 

天野さんと山田先生(右)。中は山田先生の娘さん恵美子さん。

 


山崎先生と尾崎。

 13:30の定刻になると、ADAの係の人に先導されて会場へ。250人用の会場は目いっぱい300人近くを収容しているとのことでした。もう数年前から会場の手狭さが課題になっているのですが、国際フォーラムはもちろん他の会場でも、千人規模の施設はあっても、500人規模の会場はほとんどないとのことで、帯に短しタスキに長し、という現状のようです。

 

 

 


ステージ上の大スクリーン

A  第一部開会

 遠藤さんの司会で開会が告げられ、まず審査員の紹介で、京都の山崎先生、長野の山田先生、私、天野さんの順で起立して会釈だけさせていただきました。



会場向かって左側の審査員席

 

 続いて審査員代表として山田先生の挨拶です。正面にしつらえられたステージ上に上がり、いつものようにマイクの位置が高い、と身振り・手振りのジョークを飛ばす。そんなに背が低い訳ではないのですが、これが山田先生一流のジョークなので、みんなももう承知のことでした。

 山田先生は挨拶の中でひとつの問題提起を行ったと思います。それはこの数年来の作品の傾向として、ジオラマ的な地上の風景を模した作品があまりに多いという指摘です。ネイチャーアクアリウムは本来は水中の景観の表現であるはずが、ここまで地上の風景を模すことは、ネイチャーアクアリウムの趣旨から離れるのではないかという意見でした。 


開会の挨拶 


 水草レイアウトとしての水中の景観に、地上の風景がいろいろな意味で持ちこまれるのは一種必然と思います。それは水中が陸上から連続している、というだけでなく、私たち陸上に棲む生物は、水中の景観をよく知らない。反して陸上の風景は幼いころからの体験として、いろいろな生活の場面とともに脳裏に焼き付いている。それがアクアリウムで水中の景観を作ろうとしたとき、その世界が脳裏にある陸上の風景の延長として扱われる理由のひとつと思います。同時に受け止める人々も、そのようなものとして了解する共通の理由になっているのではないでしょうか。

 ただ、陸上の風景を模写するだけなら、それは絵画や写真等にかなわないのではないか。水草レイアウトは、アクアリウムという独自な方式での表現なので、その特色を生かした表現が求められているのではないかと思います。




B  入選作品の発表

 いよいよ入選作品の発表になります。

 その前にTV電話の中継があり、ポーランドやフィリピンのADAファンと回線がつながって、生の交流が図られました。これ以外にもTV電話を使っての生中継が、ハワイ、ロシア、ブラジル、スペイン、レユニオン(南アフリカに近い島)、インドなど数回にわたって行われました。今年は第2部のパーティを含めて、会場の様子の世界同時発信を行なったそうです。

 

ハワイやロシアからのTV生中継。


   

 入選作品は今年の全応募作品2164(過去最多)のうち、上位127作品となりました。

 このうち優秀賞作品として27位までが、各審査員の解説が行なわれます(なお27位の海外作品は、コンテストの規定に反した事実が明らかになったため失格、作品も削除されました)。

 

 この優秀賞作品に関しては、あらかじめ解説作品が各審査員に割り当てられています。私には4作品が割り当てられていましたが、そのうちの1点は、恒例によって、私がこのコンテストの最優秀賞作品に推したものです。

 

 解説は各作品1分間と時間制限が課されています。私たちの審査員席の前にストップウォッチと残り時間を示すボードをもった2人のADA社員が陣取り、時間経過を厳しく知らせる態勢になっています。

 

 私の最初の解説(批評)作品は、世界ランキング26位の岩城さんの「上弦庭」という作品でした。

ワールドランキング26位 「上弦庭」
 

  その次はランキング18位の陳さんという台湾の方の「風の渓谷」という作品。これは私が今回の最優秀作品として推したものでした。


ワールドランキング18位 「風の渓谷」

 実は審査する過程で、この作品の最優秀についてはひそかに自信をもちました。今回16名に及ぶ世界の審査員の中で、私の他に少なくも2名くらいはこの作品を最優秀に推すのではないかと期待していました。というのも、私が最優秀に推した作品がグランプリに輝いたのは、初回の2001年の作品以来なのですが、今回はその初回の町田さんの「リトルネグロ」という作品と同じくらいの自信を感じたからです。

(私の各作品への解説については、末尾に簡単に内容を記したいと思います)。



C  グランプリの発表

日本人審査員4名の他に外国からの審査員、韓国の韓さん、台湾の黄さんの作品解説を含めて20作品余の最後の作品として、今年のグランプリ作品が発表されました。

会場正面の大スクリーンにグランプリ作品が映し出されると、オーッというどよめきが湧きおこります。今年はベトナムのゴさんの「常緑の風景」という作品。なんと16審査員の内、4名が最優秀に推したそうですから、圧勝と言ってもいいのではないでしょうか。

この作品は最優秀に推した台湾の黄さんと審査員を代表して天野さんが解説を受け持ちました。



グランプリ 「常緑の風景」


  優秀賞発表の中で今年の新企画は、6位以上の作品については、それぞれの制作過程の動画紹介があったことです。

 これには少なからず驚きました。制作のスタート時、まだ水槽が空のうちから、その完成までのビデオ記録が作られているのです。ADAのスタッフも驚いたそうです。仮りの企画として問い合わせたところ、全員がビデオ記録をもっていたというのです。上位入賞の人たちはそのくらい計画的に、熱心に、作品の創作を行なっていることを知って、改めて感心した次第です。



D  コンテスト必勝セミナー

 こうして途中、世界各地からのTV生中継を挟んで、上位入賞作品の発表が終わると、「コンテスト必勝セミナー」に入ります。

 これも恒例になっていますが、昨年のコンテストで天野さんが直接アドバイスをした9店舗の応募作品を対象に、天野節での辛口

批評で盛り上がります。今年は特にアクアテイクEの武江さん、アン・アクアリウムの志藤さんの作品に天野節が炸裂。さんざんにこき下ろされましたが、志藤さんなどももう慣れっこ、毛糸の帽子を脱ぐと、頭髪がモヒカンみたいに大胆にカットされたうえ、何色かにカラーリング、さらに後頭部には自分の主催するクラブ名までを書き込んでアピール。天野さんの辛口批評を逆手にとって楽しんでいました。


コンテスト必勝セミナー。武江作品に対する天野さんの辛口トーク





E  すみだ水族館特別賞

 少し休憩をはさんで、次には『すみだ水族館特別賞』の授与。

 これは天野さんのネイチャーアクアリウムが制作展示されているすみだ水族館が、天野さんのイチオシ作品にあてて提供した新

しい賞で、世界ランキング55位の築地さんの作品となりました。


すみだ水族館特別賞





F  コンテスト表彰式

 15:45くらいから、いよいよコンテストの表彰式になりました。

会場に来て下さっている方を中心に上位20名ほか、グランプリまでの15名、計35名ほどが各審査員によって表彰されました。特にグランプリのベトナムのゴさんは副賞100万円も受け取り、感激で涙ぐむ様子が印象的でした。




 

グランプリの表彰状

 


副賞100万円



続いてグランプリをたたえてベトナム国歌の演奏です。ステージ上にゴさんをはじめ仲間の人たち6人ほどが並び、正面にはオリンピックのようにベトナム国旗を中心に、向かって左に2位の日の丸、右に3位のブラジル国旗が掲揚されました。全員起立して、祝福をおくりました。

 

 

ベトナム国旗を最上位に、グランプリのゴさんとその仲間たち

 


ベトナム国家の演奏のあと、祝福をおくる審査員席

 

 

 

続いて、入賞の皆さんと各審査員がステージにあがって記念撮影。これで第一部の終了となりました。



上位入賞者と審査員の記念撮影


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