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追悼 天野尚 -2  リスボン水族館行(3)

                                                                           
ペンギンビレッジ株式会社 代表  尾崎 初(はじめ) 

                   


*写真はスマフォで簡易的に撮ったため、お見苦しいことをお詫びします。
 

昼食後、ADAのスペインショールームのお店見学。広さは30坪くらい。

オーナーのヤゴ・ヒメネスさんはネイチャーパーティで顔を見知っているが、
他に40歳前後のスタッフが4人いる。

商品量は決して多くなく、店売りだけでなく多方面の業務があるようだ。

カナリア諸島に建設される水族館プロジェクトに参加するという話もあった。


お店正面  





ガイドの睦田さんも熱心に見学


 
夜は一休みの後、元闘牛場の近代設備のレストランで夕食(ちなみに闘牛は2年前に残酷ということで禁止されたという)。


元闘牛場


闘牛場広場
規模の大きさから、かつての国民的な人気がうかがえる。



スペイン店のオーナーのヤゴ・ヒメネスさんも同席した。

スペインのアクアリウム事情をこの時、少し伺った。

当初、CO2もソイルも知らなかったころは水草の育成に大変苦労した。それがADAを知って一変した、ということは多くのアクアリウムファンに共通するところ。
 

ビジネスとしても当初は苦労したが、徐々に伸びて、いまはカーブを描いて上昇している、と先行きに自信をもつ発言があった。

客層は30代、40代の比較的若い層。日本のような高齢人口のファンはない。また女性ファンがほとんどいないということを半ば嘆きながら話すのが印象的だった。

他の業種と同じく、土日はお休みなんですか、と尋ねると、ヤゴさんのお店は土曜は半日営業するそうだ。オーナーはどんなに働いても制限はないんですよ、と。  


レストランにて。手前からヤゴさん、小野寺さん、
高橋さん、細川さん。                                     



左奥から佐藤さん、内野さん、相馬さん、神埼さん


挨拶する福島さん



中央神埼さん


右から早川さん、岸下さん、福島さん、細川さん



レストランから連れだって歩いての帰り道、ガイドの睦田さん(60代の日本人。バルセロナに棲んで数十年。時々日本にも帰るが、配偶者が現地の人で、娘2人とともにこのレストランから15分のところに住んでいる)が、ヤゴさんのお店を熱心に見ていたので話しを向けてみた。ペンギンビレッジでは中核になるお客様の雰囲気をもった人だったから、ひょっとしたらこの機会にヤゴさんのお客さんに仕立てようかと思った。           
するとお店の商品について、あんな高いもの、誰も買えませんよ、と言う。あのライトなんて1000ユーロ、13万じゃないですか、等と。それが日本では売れるんですけどね、と一行のだれかが返すと、それはお金持ちだからですよ、と睦田さん。 


ヤゴさんのお店の商品群


 


 



それでひとつ、睦田さんの気持ちがわかった気になった。

残業禁止や土日休みの違反が、泥棒より厳しい罰則のお国柄では、生活の実質ではゆとりがあっても、所得は低く、水草レイアウトやADA製品は金持ちの趣味といいたいらしい。一般人はせいぜいメダカで、睦田さんもテラスで鉢に睡蓮、メダカを飼っているというが、一昔前の日本の金魚レベルということのよう。
 

(睦田さんの話。泥棒は盗んだ金額にもよるが、5回まで釈放されて前科がつかない。対して土日休み違反や残業禁止については、した人も命じた人も刑務所行き。自国にはこれといった産業がなく、対して人口の何倍もの旅行者が世界中から来て、経済を成り立たせている。多いスリ被害や路上販売などの軽微な犯罪や違反を厳しく取り締まって過激化させるより、大目にみることによって規制や管理のコストを抑えるとともに、犯罪の過激化を防いでいる。
 

また働く人は月曜から金曜まで職場で体調を整えて、土日で思いきり遊び、月曜に職場に戻って休む。

年金は65歳にならないと満額出ないから、65歳までしおれた青菜のように働くが、65歳になると急に元気になって、体を鍛えたり、趣味に没頭したりと活動的になる。

EUの劣等生で財政破たんで公務員のボーナスが減ったりしているが、国民に危機感はない。


バルセロナ中心街
ガウディ設計のマンション

 ホテル前の街並み




 

一般人の平均月収は10万円ほどだが、食料品は安い。

バルセロナの平均的な居住空間は、80〜100平米。

親世代と同居することは少なく、老夫婦2人という世帯が増えている。

医療費は最後まで無料。65歳で退職し、あとは満額年金の生活。家は石作りで300年持ち、地震もないから、金持ちの木造の家のようには金がかからない。親から子、孫へと3世代続くのが当たり前で、相続税も安く、もっとも安いマドリードでは1億円の相続税が10万円。

お金持ちは親が歳をとるとマドリードに移り住む人が多い。2年住むと適用を受けられる、とか。 

 
ホテル横の側道


建物は石造りの5〜6階建てが多いが、1階部分には日用品のお店が必ず入っていて、半径50m位を回れば生活必需品は手に入る。車で郊外のハイパーストアに行くこともできるが、町の個人商店が守られていて、歳をとっても周辺で生活が困らないようになっている、等々。

消費税は奢侈品の23%を筆頭に、以下幾種類もあるらしい。
いい、加減、がスペインの生活ということで、ドイツとは正反対ですよ、と)。



グエル公園からの帰り道、バスの中から、珍しく道端にテニスコートが2面あるのがみえた。通常よりやや小さかったので、バデルというミニテニスか、そこで40代くらいの4〜5人がプレイしている。

睦田さんはそれを指さして、「(平日の)いまの時間、ああして自由に動けるのは企業のオーナーか弁護士などのエリートです」と説明してくれた。



サグラダファミリアに隣接する公園では、数十人という多人数の高齢の男女が数面のコートでゲートボールとボーリングを合わせたようなスポーツに興じている。これは65歳以上の退職した人々らしい。

また黄色いジャンパー風の制服を着た30人もの人が、歩道のゴミ拾いに一団になってあたっている。これはかなり目立つ集団だが、スペイン人はそうじだけは好きなんだ、と睦田さんはいうが、これも就業対策の一環かと思う。

 
スーパーマーケットでおみやげを物色


市場の太刀魚。ポーズをとってくれた。




市場向かいのエロチック劇場
女装の男性




 




 


なるほど、ということで、こういう国に、どういう角度でネイチャーアクアリウムが根付くかと考えさせられる。

日本では金のある無しに関わらず、また都会か地方かに関わらず、生活の近代化・都会化に応じて、ネイチャーアクアリウムのようなスローで瞑想的な生活体験が求められる、というのがペンギンビレッジのスタンスのひとつだから。





2月3日(金) 晴

最後の訪問先、 la Caixa(カイシャ) 博物館へ。

入口にダーウィンとキューリー夫人、アインシュタインの等身大の人形が迎えてくれる科学博物館だが、淡水水族館が併設されている。


博物館正面


3人の偉人



水族に関しても、博物館らしい興味深い展示の仕方と、巨大な展示水槽の淡水コーナーは、ピラルクなどを中心に見ごたえがある。              
ただ水の透明度はこれまでの水族館と同じで、「水草の森」には比べるべくもない。

日中、バルセロナ市内ではほとんどみかけなかった子供たちの見学が多数きている。

ろ過装置の見学    硝酸塩の除去装置はない。濃度は30〜50rだが、悪化すると換水での対応とのこと。

オゾン装置はここにもあった。



私たちにはよく理解できるテーマ別の陳列


 


巨大な淡水水槽



60cmクラスのコロソマの仲間


ワニがいる。




鳥がついてくる。


スコールが降る。


陸上部分にカピパラ



ろ過部分


砂利クリーナー型ツール


トリートメント用タンクが4〜5台





博物館正面から見渡す。素晴らしいスペインの丘と空。




12時10分バルセロナ空港へ。フランクフルト経由で帰国の途へ。

バルセロナ空港では滑走路が1本使えなくなって約一時間待たされた。これもスペイン流だろうか。

18時フランクフルト発羽田行きルフトハンザB747    
                                                                                                       (つづく)

 

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