今月のレイアウト 【2014年3月】

 



 2014  MARCH    
 今月のレイアウト
 
 
 


オーダーレイアウト  杉並区 S様


月の砂漠 


月の砂漠を

行くみたい

ふたりが進めば

魔法のタクトを振るように

荒涼とした

闇夜の砂漠に

サーッと

緑のじゅうたんが

 

ここは

だれかの心の

奥底のように

緑の草が

ひそかに、そっと、つつましく

人知れぬ希いにさえ

羞じらうように

息づいて

 

尖った岩は

いつからか

風化する空気も

風ももたず

まるく緑に蔽われる

やさしさもなく

裸の宇宙に

焼かれるように


あなたの心は

ますます遠く

底に虚ろな

穴がまたあくほどに

仕事にも夢にも

ひそかに疲れて

ボロキレのような

心が墜ちていく

 

墜ちた心の

底の底に

月の砂漠のような

緑が生きていて

自堕落と敗残と焦燥と

捨てた未練に潜む希いと

わたしたちの

棲む世界

 

くり返しても見果てぬ世界か

捨てられても育つ希いか

微かな光に

闇を彩る

アジサイのように

まぼろしのような

不思議な月が

ふたつ。 

 

  


ディスカス(ルビーインプラチナ




 





水草配置図 
 

                                                      

使用水草

@  グロッソスティグマ

A  オーストラリアン・ドワーフヒドロコチレ   

     

     ADA 龍王石

 


 



 

  

水槽データ

水槽   AC 900S (900×300×400H)

ライト  GEX クリアLED 900

キャビネット ウッディキャビ

ろ過   ADA ES600

底床   ADA アマゾニア+パウダー

CO2   PV セレクトCO2(ペンギンビレッジ仕様)

        他

        

 




 


 

ルビーインプラチナ・ディスカス (タンクメイト)

        他


 
 

オーダーレイアウウトのプロセス

 

この水槽は杉並区のS様よりのオーダー。

元々海水魚を飼育されている方だったが、引っ越しを機に、水草をはじめてみたいという意向。

海水水槽にはだいぶ凝ったので、海水器具や配線を含めて多岐にわたった複雑な構成の水槽だった。今度は一転して、シンプルで静謐としたレイアウトをご希望。



当社のTGがご相談に乗り、写真のような岩組レイアウトに2種類の水草だけを配することをご提案。およそ1か月をかけて作り上げた。


魚については、当初、グリーンネオンの群泳がご希望でもあり、ご提案でもあったが、「タンクメイト」()のディスカスの例もあって、ディスカス主体となった。



ディスカスはいまだに砂も入っていないいわゆるベアタンクで飼われている方も多いが、実は水草との相性は抜群。特に写真のようなシンプルなレイアウトやシダ類などを多用した幽玄なレイアウトには、ディスカスのゴージャスさがよく似合う。互いが互いを引き立てあう最高のアクアティックシーンを見ることができる。



 タンクメイトのルビーインプラチナ・ディスカス

写真のディスカスは、オーダーレイアウト作成中の“タンクメイト”として、生態系上の食物連鎖の頂点をなすものとして入れられています。


これは自然の生態系の中で、動物、とくに肉食動物が食物連鎖の頂点に立つと言われるように、アクアリウムの中でも、魚類は目に見えないバクテリアや水草によって基本的に形成される生態系(エコシステム)の頂点に位置すると考えられるからです。


アクアリウムの中では、特に食物連鎖以上に、さまざまな要素で、魚の重要性に気づきます。


たとえば魚は、フン中のアンモニアや呼吸中のCO2の排出で、バクテリアや水草の生育に役立つだけでなく、各種のミネラルや酵素、ビタミン類の排出でも、周辺の生物環境に大切な役割を果たしているように見えます。また水草の成長を阻害するコケや藻類を食するだけでなく、彼らの遊泳が起こす微細な水流は、どんな機械でも作ることのできない精密な波を水草の葉や底床に巻き起こして、各種のガス交換や物質代謝を促すようにみえます。


もちろん魚類の中でも、主に観賞用の魚から、そうじやさんと言われる各種の脇役の魚や、エビ、カイといったムセキツイ動物まで、それぞれ役割と棲息域の違った種類が織りなすように棲み分けます。


こうして水草レイアウトは、単に水草の美しさを鑑賞するだけでなく、魚類を含めた「水の生物相全体=生態系」の調和とその変化=進化を体験する特有な環境ツールになると思われます。

 



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