今月のレイアウト 【2014年2月】

 



 2014  FEBRUARY    
 今月のレイアウト
 
 
 


オーダーレイアウト  練馬区 Y様 

 


水草の群落の切れ目から

ひそやかに

水の流れが走る

それと気づかぬほどの  

透明な時の水路が

いずこともしれぬ

彼方の淵からやってきて

ぼくたちの足元を巡り

あのヒドロコチレの 

先に消えていく

 

この世界の

来し方は知らず

あのルドウィジャーが

いつから茂り

このグロッソが

どこから伸びたのか

あの流木は

いつ葉をつけて

枝はどんな風を受け

物語をしていたか

      

過去とは、古(いにしえ)とは、 

過ぎた時とはなんなのか

      

かつてここには

無機質の水があふれ

底に積もった泥の中に

目に見えぬ微細な生きものが

かぼそくうぶ声をあげ

世界と生命の

始まりを告げた

      

時の向きに

嗅覚を働かせるように

ぼくたちは背びれを立てて

水の流れに逆らい

舞って

抑えつける重力からの

自由を知った

      

この世界の

来し方は知らず

ただダイヤモンドの鎧をまとい

時に紡がれた

儀仗兵のように

流木の陰の古い邪気を封じ込め

世界の行く末を見はるかす

時の行方                                 





                          








             ゴールデンダイヤモンドエンゼル






  





 





水草配置図 
 

                                                      

使用水草

@  グロッソスティグマ

A  オーストラリアン・ドワーフヒドロコチレ   

B  ルドウィジャー・グランデローサ

C  セイロン・ロタラ                                 

D  ハイグロフィラ・ポリスペルマ               

E  ロタラ・ロトンジフォリア                       

F  ロタラ・ワリッキィ

G  ヘテランテラ                                     

H  ウォーター・ウィステリア                     

I  ルドウィジャー・レペンス

J  ラージ・パールグラス                          

 

      枝流木

      ADA 龍王石

 


 



 

  

水槽データ

水槽   AC 900S (900×300×400H)

ライト   アクシーニューツイン 900

キャビネット プロスタイル900S

ろ過    ADA ES600

底床   ADA アマゾニア

CO2    ADA アドバンスシステム

            ADA ELバルブ

        他

        

 




 


 

ゴールデン・ダイヤモンドエンゼル (タンクメイト)       

        他




 
 

オーダーレイアウウトのプロセス

 

この水槽は練馬区のY様よりのオーダー。

当初、水草の豊かな植込みを希望されていたが、低い絨毯のような前景草も捨てがたい、というお考え。それでは折衷案というよりは、枝流木の軽やかな配置を軸に、両者を積極的にアレンジしようというプラン。


枝流木によって、もうひとつのご希望である魚の遊泳域も十分に確保できる。


こうして写真のように、ほぼ90%程度の完成レベルになった。

 

タンクメイトのゴールデン・ダイヤモンドエンゼル

オーダーレイアウトや、また店頭販売用の生態系セットには、写真のようにレイアウト作成の途中から、臨時に魚も入れられています。これをペンギンビレッジでは「タンクメイト」の魚と呼んでいます。


これは自然の生態系の中で、動物、とくに肉食動物が食物連鎖の頂点に立つと言われるように、アクアリウムの中でも、魚類は目に見えないバクテリアや水草によって基本的に形成される生態系(エコシステム)の頂点に位置し、生態系を作るうえでの不可欠の存在と考えるからです。


アクアリウムの中では、特に食物連鎖以上に、さまざまな要素で、魚の重要性に気づきます。


たとえば魚は、フン中のアンモニアや呼吸中のCO2の排出で、バクテリアや水草の生育に役立つだけでなく、各種のミネラルや酵素、ビタミン類の排出でも、周辺の生物環境に大切な役割を果たしているように見えます。また水草の成長を阻害するコケや藻類を食するだけでなく、彼らの遊泳が起こす微細な水流は、どんな機械でも作ることのできない精密な波を水草の葉や底床に巻き起こして、各種のガス交換や物質代謝を促すようにみえます。


もちろん魚類の中でも、主に観賞用の魚から、そうじやさんと言われる各種の脇役の魚や、エビ、カイといったムセキツイ動物まで、それぞれ役割と棲息域の違った種類が織りなすように棲み分けます。


こうして水草レイアウトは、単に水草の美しさを鑑賞するだけでなく、魚類を含めた「水の生物相全体=生態系」の調和とその変化=進化を体験する特有な環境ツールになると思われます。

 

植物相の進化を中心とした生態系の進化をどう考えていくか。それに合わせた魚類の組合せをどうするか。

アクアリウムのオーナーは、こうして生態系(エコシステム)のストーリーとヒストリーの主催者となっていきます。

 

ところでY様の魚のプランは、まずオレンジドワーフ・グラミー。これはトリートメントの難しい種類ですが、すでにご用意済み。

この魚を主役に、カージナルテトラを周囲に配する。コリドラスはシミリスがお好み。こうしてスタートの魚のストーリーが作られていきます。


 


 
 オレンジドワーフグラミー

 
カージナルテトラ 

 
コリドラス・シミリス 

 

 
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